久保田一道
刑務所を出た人たちの立ち直りを支える保護司の担い手を確保するため、政府の有識者会議は28日、制度の見直し案を公表した。原則66歳以下としてきた新任の年齢上限を撤廃し、任期を2年から延長することなどを盛り込んだ。さらに検討を重ね、年内にも最終報告書をまとめる方針。
保護司は、刑務所を出た人たちと定期的に面接して相談に乗ったり、就職先を探したりして社会復帰を支え、再犯を防ぐ。2023年1月時点で全国に4万6956人いるが、70歳以上が4割近い。高齢化や担い手不足が深刻化する中、法務省は23年5月、現役の保護司や研究者らによる検討会を設置し、持続可能な制度のあり方を議論してきた。
28日に公表した中間試案は、原則66歳以下としてきた新任の年齢上限を、25年度に撤廃することを提案した。若い対象者との世代間ギャップを軽減するためのルールだったが、定年を引き上げる企業が増えていることを考慮した。
また、長期的な視点に立って活動してもらえるように、任期を2年から3年程度に延長。原則は76歳未満、一定の条件を満たせば78歳未満まで認めてきた再任の年齢上限を見直すかどうかも検討するとした。
保護司の担い手は、退任する保護司らによる推薦を主流としてきたが、限界があるとして、自治体の広報誌などを通じた公募を試行する。交通費などの実費だけでボランティアとして活動している現状について、「『現役世代』に保護司を担ってもらうには報酬が必要ではないか」との声もあり、報酬の導入については議論を続けるとした。(久保田一道)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル